専修学校ってあまり聞き慣れない学校ですよね。
この投稿を読むと専修学校が日本の学校教育制度で認められた学校であることや、どんな特徴があるのかを簡単に理解することが出来ます。
専修学校の役割は
専修学校は、みなさんの将来に役立つ専門的な知識や技術・技能を身に付けるための学校です。皆さんには将来への大きな夢や希望が沢山あると思います。それを支援するのが専修学校の役割です。
専修学校は正規の学校です。
専修学校は、学校教育法という法律によって定められた正規の学校です。また、専修学校は専修学校設置基準というルールによって作られ、都道府県の知事が認めると学校を作ることが出来ます。
ここからは、学校教育法に決められている法の条文をいくつか抜粋し、説明していきます。
専修学校関係の学校教育法条文
第124条 専修学校
1 修業年限が1年以上であること。
2 授業時数が文部科学大臣の定める授業時数以上であること。
3 教育を受ける者が常時40人以上であること。
この条文は、専修学校が学校として認められるための最低限度の基準が示されています。
修業年限は、学習する期間のことを言い、専修学校は1年以上学習することが決められています。
また、授業時数は、1年間に800時間以上の授業をすることが決まられています。ここで言う1時間は大体50分ぐらいと考えておくとよいでしょう。
第125条 高等課程・専門課程・一般課程
2 専修学校の高等課程においては、中学校若しくはこれに準ずる学校を卒業した者若しくは中等教育学校の前期課程を修了した者又は文部科学大臣の定めるところによりこれと同等以上の学力があると認められた者に対して、中学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて前条の教育を行うものとする。
3 専修学校の専門課程においては、高等学校若しくはこれに準ずる学校若しくは中等教育学校を卒業した者又は文部科学大臣の定めるところによりこれに準ずる学力があると認められた者に対して、高等学校における教育の基礎の上に、前条の教育を行うものとする。
4 専修学校の一般課程においては、高等課程又は専門課程の教育以外の前条の教育を行うものとする。
この条文では、専修学校には入学資格の違いによって3種類の課程があることが決められています。
だいたい、以下のように考えておくとよいでしょう。
高等課程は、中学校を卒業して入学する学校。
専門課程は、高等学校を卒業して入学する学校。
一般課程は、特に入学資格はない学校。
第126条 高等専修学校・専門学校
2 専門課程を置く専修学校は、専門学校と称することができる。
この条文では、都道府県知事が認めた専修学校で高等課程を置く学校のことを高等専修学校。専門課程を置く学校を専門学校と言ってよいと書いてあります。
つまり、学校の名前に高等専修学校や専門学校がついている学校は、正規に認めた学校であるということです。
専修学校の中には、あえて高等専修学校や専門学校という名前を付けない学校もあります。〇〇カレッジとか〇〇学院とか○○スクールがその仲間です。もしも、このような学校が専門学校かどうかを確かめるには、パンフレットの取り寄せや学校見学会、オープンスクールに参加して、都道府県知事に認可されているか確かめることをお勧めします。
また、専修学校以外にも職業を学ぶ機関として素晴らしい教育をしている機関もたくさんあります。なりたい自分がはっきりしているなら職業教育関係のスクールに入学して自分の人生を充実させることも大事ですね。
皆さんの積極的な行動で自分の将来を充実した楽しいものにしていきましょう。
第127条 設置基準
1 専修学校を経営するために必要な経済的基礎を有すること。
2 設置者(設置者が法人である場合にあつては、その経営を担当する当該法人の役員とする。次号において同じ。)が専修学校を経営するために必要な知識又は経験を有すること。
3 設置者が社会的信望を有すること。
この条文では、専修学校は国立や公立の学校の他に私立の学校を設置する場合に、どんな人(法人)なら専修学校を作ることができるかが決められています。
教育活動は、継続的に提供されなければならないサービスなので、教育を継続して行うだけのお金を持ってなければならないこと。
職業や仕事の専門的な知識や経験があること。
社会で信頼される人であること。
この3つがクリアできないと専修学校を作ることはできません。
第128条 適合基準
1 目的、生徒の数又は課程の種類に応じて置かなければならない教員の数
2 目的、生徒の数又は課程の種類に応じて有しなければならない校地及び校舎の面積並びにその位置及び環境
3 目的、生徒の数又は課程の種類に応じて有しなければならない設備
4 目的又は課程の種類に応じた教育課程及び編制の大綱
この条文では、文部科学大臣が決めた教員数、一定の校地や校舎、設備を持たなければならないことが決められています。
教員の数は、生徒数によって変動します。最低でも3人以上はいなければなりません。
校舎の面積は、看護師、美容師、理容師、調理師、保育士、ITエンジニア、ゲームクリエータ、自動車整備とかの学校は260平米以上(一般的な小学校の教室4つ分くらい)。簿記、秘書、旅行、外国語、デザインとかの学校は200平米以上(一般的な小学校の教室3つ分くらい)の校舎が必要です。
また、設備として技術を身に着けるために必要な機材や装置を準備しなければならないことになっています。
第129条 校長及び教員
2 専修学校の校長は、教育に関する識見を有し、かつ、教育、学術又は文化に関する業務に従事した者でなければならない。
3 専修学校の教員は、その担当する教育に関する専門的な知識又は技能に関し、文部科学大臣の定める資格を有する者でなければならない。
この条文では、校長先生は専門知識があり、かつ十分な経験をした人であることが決められています。
教員は、自分が担当する教育の専門的な知識や技術を6年ぐらいは経験しないと教えることができないこと決められています。
第130条 設置廃止等の認可
2 都道府県の教育委員会又は都道府県知事は、専修学校の設置(高等課程、専門課程又は一般課程の設置を含む。)の認可の申請があつたときは、申請の内容が第124条、第125条及び前3条の基準に適合するかどうかを審査した上で、認可に関する処分をしなければならない。
3 前項の規定は、専修学校の設置者の変更及び目的の変更の認可の申請があつた場合について準用する。
4 都道府県の教育委員会又は都道府県知事は、第1項の認可をしない処分をするときは、理由を付した書面をもつて申請者にその旨を通知しなければならない。
この条文では、専修学校を作りたいと設置者から申請があった場合は、公立の学校を作る場合には教育委員会が、私立の場合は都道府県知事が申請内容を審査して、基準に達していたら学校を開校して良いことを認めます。つまり、専修学校は正式に認められた学校であるということが記載されています。
また、学校を作る場合だけでなく、学校の内容を変更することや閉校する時も認めてもらう必要があります。つまり、勝手に新しい学科を作ったり、校地を増やしたりすることはできませんし、学校を廃止する場合にも勝手に学校をつぶすことはできないということが決められています。
第131条 名称、位置又は学則変更等の監督庁への届出
この条文では、専修学校が学校名や住所や学内の規則を変更する場合には、教育委員会や都道府県知事に許可をもらう必要があることが決められています。学校名も簡単に変更することはできませんし、引越しもちゃんと認めてもらわないできません。
第132条 大学への編入学
この条文では、一定基準の2年制専門学校以上を卒業した場合に、大学に編入学する権利があることが決められています。この件に関しては、別の投稿で詳しく説明したいと思います。
まとめ
この投稿では、専修学校は正規の学校であることを簡単に理解してもらうための、学校教育法から見た専修学校制度を説明してきました。
学習期間や授業時間のこと、入学資格の違いによって高等専修学校と専門学校があること、校長や教員は専門知識をちゃんと持っていることなどの多くの基準があることやその基準をクリアしたものだけが専修学校だということが実感できたでしょうか?
さらに詳しいことが知りたい人は、お問い合わせから質問してくださいね。
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